愛媛県議会議員 松尾 和久 公式ホームページ

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議会報告 アーカイブ - 愛媛県議会議員 松尾 和久 公式ホームページ

2020/09/25
2020.9月議会一般質問原稿・答弁概要

おはようございます。自由民主党の松尾和久です。

 

新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた皆様のご冥福を心からお祈りいたします。また、感染された皆様にお見舞い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症が世界を巻き込み猛威を振るうこの間、医療の最前線で県民の安全のために奮闘してくださっている医療関係者の皆様には心からの敬意を表し、感謝申し上げます。

9月19日、7年8ヶ月に及んだ安倍政権が総辞職し、菅新政権が発足致しました。第二次安倍政権がスタートした当時、デフレに苦しみ株価も低迷する中、アベノミクスを掲げ、経済政策を強く推し進めてきた結果、経済成長と雇用の回復を寝し遂げました。また、「世界を俯瞰する外交」を掲げ、世界の中で各国との個別的な協定、パートナーシップを構築してきたことは評価されるところだと思います。一方で、拉致問題や、憲法改正など最重要課題に掲げながら解決できなかった点は残念な思いがするところであります。菅政権は、安倍政権の継承と発展を掲げスタートいたしました。こうした積み残された課題に全力で取り組んでいただきたいと思います。また、コロナ禍の中で明らかになった、世界に大きく遅れをとっているデジタル改革に取り組むことを前面に打ち出しており、次の世代でも世界の中で日本が「輝く日本」であるためにはやらなくてはならないことであると思います。菅政権には次の世代へ引き継ぐ日本の土台づくりに期待したいと思います。

そこでまず、G I G Aスクール構想の実現に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 

「G I G Aスクール構想」とは「児童生徒向けの一人一台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」であります。2019年12月に文科省が打ち出したこの構想は2020年4月新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言に伴い、オンライン化の流れが加速されたことなどを受け、G I G Aスクール構想を早期実現するための支援などを、積極的に推進すると文科大臣が表明し、前倒しの政策が打ち出されているところであります。

国は令和元年度補正予算、令和2年度一次補正予算で、小・中・特別支援学校等における1人1台端末の整備に対し、国公立には定額で上限45,000円、私立へは補助率2分の1で上限同じく45,000円の補助を行うなど、環境整備を加速化しており、当初のスケジュールでは2023年度中の達成を目標としていた一人一台端末整備について、2020年度中の完了を目指しているところであります。

Society5.0時代を生きる子ども達にとって、教育におけるI C Tを基盤とした先端技術の活用は必須であり、そのためには教育現場におけるICT環境の整備が急がれるものであります。

今般のコロナ禍にあって、緊急事態宣言の下、社会のニーズは大きく変化したと感じています。一般社会のデジタル化が大きく進む中、学校現場が取り残されているとも指摘されており、充実させていかなければなりません。

子ども達にとっても長期の休業を経験し、リモートでの授業などこれまでにはない新たなスキルが必要とされる時代が早回しで到来したように思います。当然、対面での授業や、友達と触れ合いながら共に学び、コミュニケーションを取る中で経験を共有し、人と繋がっていくことの大切さも改めて見直されたところであります。従来の学びも大切にしながら、新たな時代へ向けての学びを進めなくてはなりません。

I C T教育のメリットは、①子どもの学びへの興味関心を引き、主体的に学ぶ力を育み、学習内容の理解を深めることや、②一人一人がP C端末を活用することで一斉授業と異なり、それぞれの理解度や関心に応じて個別に最適化された学びができることなどが挙げられております。

G I G Aスクール構想の実現には「ハード・ソフト・指導体制」の一体的取り組みが必要です。I C T環境整備の抜本的充実の「ハード面」、デジタルでの学びの充実、デジタル教科書などデジタルコンテンツの活用、A Iドリルの活用などの「ソフト面」に加え、日常的にICTを活用できる指導者養成等の「指導体制」の構築の三位一体での取り組みが基本になければなりません。

こうした取り組みをいち早く進めながら、将来を担う子どもたちの教育環境を整え、愛媛の子どもたちが時代に取り残されることがないよう推進していただきたいと思います。

そこでお伺いいたします。

1人1台端末環境をはじめとするICT環境整備の加速と併せて、新たな授業スタイルの確立や、コンテンツの充実などソフト面の改革も進めていき、デジタルならではの学びの充実を図り、多様な人材を育てていく必要があります。

こういったことを踏まえ、県内の教育現場では教科書を始めとした教材においてI C T活用をどのように進めていくのかお聞かせください。

 

答弁(教育長)

ICT教育の効果を高めるためには、ICTの強味を活かすデジタルコンテンツの活用が不可欠であり、学習支援アプリなど民間のデジタル教材の積極的な導入に加え、教科学習の主教材である教科書についても、今般の学習指導要領の改訂に伴い、中学校は令和3年度から、高校も4年度から、教科書に登載されたQRコードにより、豊富なデジタル教材と効果的に連携できる環境が整う見込みとなっている。

また、特別支援学校においても、1人1台端末の導入に合わせて、視覚障がい児用の点字変換機器や、聴覚障がい児用の音声文字変換システム等の支援装置を配備するほか、障がいの重い児童生徒が視線や呼吸により入出力ができる装置を配備するなど、障がいの特性や発達段階に応じてICT機器やデジタル教材を有効に活用できる質の高い教育の実現に向けて準備を進めているところ。

これから教育現場では、教科書に沿った映像や音声資料のほか、練習問題や発展的学習素材などのデジタル教材が幅広く利用可能となることから、これらを有効に活用し子供の興味関心に応じた学習の広がりや理解の掘り下げ、個別の習熟度に合わせた効率的な学習など、一人一人の能力と主体性を最大限に引き出す学びの実現に努めて参りたい。

 

 

また、ハードとソフトの整備が整っても実際に教壇に立つ教員がICTを使いこなせなければ意味がありません。その観点からもGIGAスクール構想の実現には指導体制の強化も重要となっております。多忙な中、I C T教育への不安を持つ先生も出てくると思いますが、教員のI C T活用スキルの向上に向けて、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。

 

答弁(教育長)

県内全ての公立学校で1人1台端末体制が整い、ICTを活用した教育が本格的に始動する状況を前に、その効果を県内遍く発揮させるためには、優れた実践事例や活用方法を広く共有させるとともに、教員のICT活用スキルや指導力の向上を図ることが急務と認識している。

このため県教育委員会では、今年度下半期に、小中高校及び特別支援学校の教員を対象として、ウェブ会議システムを使った遠隔授業やデジタル教材作成に必要な技能の習得、ICTを活用した授業設計の手法など、現場ニーズに応じた実践的な研修を、民間の知見も活用しながら集中的に実施するほか、学識経験者や教員で組織する協議会を中心に、ICT教育を体系的に推進するためのガイドラインを策定し、発達段階に応じた教育プログラムの構築を進める。また、市町も独自に、地域の実態に即した研修会や専門家による訪問研修を実施しており、オール愛媛体制でGIGAスクール構想の実現に向けた取組みを加速させている。

ICT教育は、子供たちが新たな時代を豊かに生きるために必要不可欠な「学び」であり、教員の資質向上はもとより優良教材の製作と共有化などソフト面にも注力しながら、全県下で質の高いICT教育が展開されるよう全力で取り組んで参りたい。

 

次に「本県農業の振興」についてお伺いいたします。

 

愛媛県における基幹的農業従事者数は平成2年に63,783人であったのが、平成27年では35,175人に減少しており、5年に一度行っている農林業センサスの令和2年の最新の数字が発表されれば、さらに減少していることが推察されます。また、構成を見ると、平均年齢は68.5歳となり、65歳以上が占める割合は69.5%となりました。さらに、生産農業所得も平成2年に879億円であったものが、平成30年には498億円へと減少しております。

そのような中、県におかれましては、「えひめ農業振興基本方針2016」を策定し、担い手の確保、育成を推進するため農業大学校において就農希望者や、担い手の育成のための塾を開講したり、多様な営農に対応できる農地や灌漑施設の整備などに取り組んでおられます。また、国内のみならず海外への販路開拓や、農産物のブランド化、有望品種の導入による消費者ニーズにあった農産物の生産など、愛媛農業を支えるため、各政策を推し進めていただいているところであります。

 

そういったことを踏まえて、まず、「人・農地プランの実質化」についてお尋ねいたします。

「人・農地プラン」は農業者が話し合いに基づき、地域農業における中心経営体、地域における農業の将来のあり方などを明確化し、市町村により公表するもので、平成24年に開始されました。平成30年度末現在で、全国1,583市町村において、15,444区域で作成されています。しかし、中には地域の話し合いに基づくとは言い難いものもあったようです。

そこで、人・農地プランを地域の話し合いに基づくものにする観点から、アンケート調査を実施し、その調査結果や話し合いを通じて、地図による現状把握を行った上で、中心経営体への農地の集約化に関する将来方針を作成し、人・農地プランをより実効性のあるものにしようとする取組みが「人・農地プランの実質化」であります。

私の住む地域でもすでに「人・農地プラン」は作成していましたが、今年度実質化を進めることとなっております。まず、おおむね5年から10年後の農地利用に関するアンケート調査が行われました。これはそれぞれの農業者の農地について、5年後誰が農地を利用しているのか、もしくは10年後の利用の目処がついているのかなど、農地それぞれの将来について調査するものであります。

今後その調査結果などを地図に落とし込み、5年から10年後に後継者のいない農地の面積を「見える化」した上で、市や、農業委員会、J A、土地改良区などの関係団体や農業者などが話し合い、地域の中心となる経営体への農地の集約化に関する将来方針を作成していくこととなります。

こうした取り組みを進めていくことにより、愛媛の農業を将来へ継承していけるものとしていかなければなりません。そこでお伺いいたします。

「人・農地プランの実質化」を市町で進めていく中で県としてどのような効果を期待するのか、また、プランの実質化を通じて本県の農業のあるべき姿をどのように描いていくのか県としてのご見解をお聞かせください。

 

答弁(農林水産部長)

人・農地プランは、地域の農地や担い手等の実情を把握し、5年から10年先の将来像を描くことで、耕作放棄地の発生を抑制し、地域農業を継承していくための設計図とするものであり、本県では、農業集落全体の9割以上で作成され、昨年10月から、将来の農地の担い手を具体化する実質化が進められているところ。

実質化の過程では、将来の農地利用に関するアンケート結果を地図化したうえで、農地の出し手と受け手、農業委員等が、「地域の農地を誰が、どのように守っていくのか」を徹底して話し合うことから、地域の歴史や現状、課題等を共有できるとともに、先人の知恵を継承した、結束力と共同意識の高い営農体制が再構築されるものと期待しているところ。

柑橘を中心に多様な農業が展開されている本県においては、担い手への集約化ばかりでなく、都市部からの人材受入れを含めた新規就農や集落営農の法人化など、地域の実情に応じた様々な就業・営農の形態が考えられ、実質化に向けた議論を通じて地域の将来の姿を共有し、国の制度も活用しながら確実に実行に移していくことが肝要であり、県としては、地域の意向を尊重しつつ、持続可能で競争力のある愛媛農業が実現できるよう支援して参りたい。

 

続いて、コロナ禍における農業の振興についてお尋ねいたします。

今回、新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出自粛による外食需要の低迷や、イベント中止等の経済活動の縮小による販売機会の損失、外国人技能実習生が来日できないことや、収穫期などに多くの人を必要とする現場での、3密回避などの感染予防対策への不安による労働力不足など、農業にも大きな影響が出ました。

そうした中、国は影響を受けた農家に対し品目を問わず、販路の回復・開拓や事業継承・転換のための機械・設備の導入や人手不足解消の取組みを支援するため、100万円を上限に必要な経費の4分の3を補助する「経営継続補助金」を設けました。我が集落でも5年後、10年後の池の土手の草刈りの担い手が減少することを見据え、有志が協力して、この制度を活用し「リモコン草刈機」の導入を申請いたしました。これはコロナ対策として大勢が集まっての草刈りではなく、3密回避などの感染防止対策を行いつつ将来を見据えて、事業を継続するための新たな取り組みとして行いました。このことは他の地域からも問い合わせがあるなど、注目されました。このように、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、それぞれの地域においても将来への不安を共有し、どうすれば担い手の負担を軽減し、農業の継承、継続が可能になるのか、新たな取り組みを模索する動きもあります。

そこでお伺いいたします。

新型コロナ感染症の感染拡大により影響を受けた農業経営や担い手不足への支援と併せて、新しい生活様式を踏まえた、販売機会の確保などへの支援も重要だと考えますが、コロナ禍における農業の支援をどのように進め、今後の農業振興へどうつなげていくのか県のお考えをお聞かせください。

 

答弁(知事)

コロナ禍による農業への影響は、品目によって影響の出方や大きさが異なり、大幅な需要減少や価格下落により生産者の再生産サイクルの維持が危惧されるケースも生じていることから、これまで経営継続を第一に考え、市町や関係団体等と連携して、様々な支援に取り組んできたところ。

県では、地方局の支援チームが各農家の状況を把握したうえで、国の補助金等の活用をサポートするなど、きめ細かな支援を行っているが、こうした取組みを通じて、イベントの中止等による花きやお茶などの需要減少などを把握したため、必要な予算措置を講じるとともに、関係団体・企業の協力を得て需要を喚起し、販売業者も含めて業界全体を支援してきたところ。また、価格下落で採算ラインを割っている牛肉等については、再生産に必要な資金の一部を助成している。

今後は、地産地消への意識の高まりやECサイトでの購入の増加など、新しい生活様式の定着に伴う消費動向の変化を捉え、オンラインと実際の展示販売等を組み合わせた新たな販促イベントの定着を図るとともに、国の「Go To Eat」も追い風に、需要回復と更なる拡大に努めるほか、収穫期を迎える柑橘現場の労働力確保や、スマート農業の導入等による生産性の向上を支援するなど、オール愛媛体制で、産地間競争の激化にも打ち勝てる強い愛媛農業の実現を目指して参りたい。

 

次に医師確保対策についてお尋ねいたします。

 

全国的に医師不足が叫ばれる中、本県においても医師不足、偏在が課題となって久しくなっております。

2010年に厚生労働省が全国の病院や分娩取扱い診療所を対象に行った「病院等における必要医師数実態調査」によれば、調査票の提出があった全国の医療機関で167,063人の医師が勤務しているものの、必要数は24,033人不足しており、全国的に医師が足りていないことが明らかになりました。また、医師自体の不足に加え、都道府県ごとの必要医師数の現員医師数に対する倍率には地域差が見られ、地域による偏在等が明らかになり、地域によって受けられる医療の質に違いが出ることや、地方の病院の存続にも関わることが危惧されてきました。

2019年に国が発表した2年に1回実施する「医師・歯科医師・薬剤師統計」によりますと、2018年末における全国の医師数は327,210人で、前回の調査に比べて7,730人増加しています。単純計算で一年に約3,800人の医師が増加しています。それでも地方において医師不足と言われる原因は冒頭に申し上げましたように「医師の偏在」が挙げられます。先ごろ発表されました「医師偏在指標」においても、最も数値が高い東京都と、最も数値が低い新潟県では約2倍の差があることが示されています。この「大都市などの医師の多い場所」と「地方の医師の少ない場所」の格差が大きなものになってしまっていることが問題であります。

県ではこれまでこうした医師不足対策に「地域保健医療計画」等に基づき、地域の実情に応じた医療機能の充実、医師確保対策の推進に取り組みながら、地域で必要とされる医療を提供できる体制づくりに取り組んでこられました。

各政策の中でも、愛媛県地域医療医師確保奨学金貸与制度についてお尋ねいたします。

この制度は将来、愛媛の医療に携わっていただく医師育成のため、奨学金の貸与を行っている制度であります。平成21年度から始まったこの制度は愛媛大学医学部等の地域特別枠定員の学生に対して、入学料や授業料に加え、生活費として月額100,000円を貸与するものであります。この医学部定員における地域特別枠制度、いわゆる地域枠医師制度は令和3年度までの予定でありますが、国において令和4年度以降の医学部入学定員や地域枠医師制度のあり方の協議を進めるにあたり、地域の実情や都道府県の意見などを十分に反映することを国へ要望しているところでもあり、県としても継続する必要があると考えます。

本県の場合、在学中の6年間で貸与される奨学金は1,000万円を超える額になりますが、3年間の研修期間を含む9年間、知事が指定する医療機関で勤務した場合は全額免除されることになっております。しかしながら途中で辞退したり、義務年限満了前に離脱した場合は年率10%の利息がついた額を一括返還しなければならないことになっており、例えば義務年限満了の最終年になんらかの事情で離脱しなければならない場合、約1千万円の利息がつくことになります。このことは業務上での万が一の事故があった場合など、知事の裁量で免除することができるとなっていますが、原則としてそれまでに指定医療機関で勤務したことによる減額はありません。この奨学金制度は、地域における医療確保を目的とした制度であり、利用者も本県で働く意思を持って、返済免除となることを前提に貸与を受けていることと思いますが、止むを得ず人生設計の修正が必要になった場合に、多額の返済額がのしかかり過ぎることを防ぐためにも、それまでの指定医療機関での勤務年限を地域に貢献した年数として、年数に応じた返済額の減額を行うことも、広く人材を確保するためには必要なことではないかと思います。

また、「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、2018年末の医療施設に従事する女性医師は前回より6.2%増加し、男性医師の1.3%増加を大きく上回っております。年齢階級別に見ると年齢階級が低くなるほど女性医師の割合が多くなり、「29歳以下」では35.9%で、3分の1以上が女性医師となっております。この様な中、育児休業後、育児をしながらの勤務について多様なライフスタイルを尊重しながら地域枠医師としての任務を果たしてもらうためにも、保育等の育児環境の整備なども含め、ライフステージに応じて働きやすい環境づくりが重要であると考えます。

さらに、地域枠の女性医師が出産や育児で休業し、何らかの事情で離脱することとなった時には奨学金を返還する際に、育児休業期間についても年率10%の利息が発生します。これは、我が県も民間も含めて、育児休業を取得することを推し進めている中にあって、地域枠医師として働く女性にとって金銭的リスクも高く、人生の選択肢が狭められてしまい、女性医師確保の妨げに繋がってしまう可能性もあるのではないでしょうか。

こうした地域枠医師制度は調査したところ、他の県でも本県と同様なシステムが多いようですが、今後も本県の医師不足が懸念される以上、愛媛県はそれぞれの人生設計にも配慮した奨学金制度に見直しをして、より多くの人材の確保に繋げることも一考に値すると考えます。

そこでお伺いいたします。

幅広い人材を確保するためにも、育児と仕事の両立を図る女性医師を始め、多様な価値観に基づく人生設計に配慮した地域枠医師制度にするため、どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

 

答弁(保健福祉部長)

本県の地域医療医師確保奨学金制度は、平成21年度に国の医学部定員増に併せて創設したものであり、厚生労働省によると、全国の地域枠医師の約7割が、本県と同様に返還利息が付される奨学金の貸与を受けており、そのうち離脱時に本県と同様の年利10%が適用されている者が約9割となっている。

また、本県が奨学金を貸与している209人のうち、女性が76人、約36%となっている。これら地域枠医師の定着促進に向けて、現在、国の検討会において、奨学金制度のあり方などについて議論がなされていることから、国の検討状況や他の都道府県の動向を注視しているところ。

県としては、女性医師も含め、全ての医療従事者にとって、ライフステージに応じた働きやすい環境づくりを進めることが重要であると考えており、院内保育所の運営費の補助や、県医師会と連携した女性医師就労支援相談窓口の設置などに取り組んでいるところであり、今後とも、これらの施策も進めることで、地域枠医師が本県で安心して働き続けられるよう努めて参りたい。

 

次に、松山外環状道路についてお尋ねいたします。

 

松山外環状道路は慢性的な渋滞が発生する松山環状線の外側に位置し、松山港や松山空港、松山インターチェンジ等の広域交通拠点や物流拠点、観光地を結ぶことでアクセス性向上に寄与するほか、国道196号や56号、33号、11号といった松山市内中心部と郊外をつなぐ主要な国道を連絡する地域高規格道路で、松山市外や郊外から市内中心部へ流入する交通を分散することで、市内の交通渋滞解消につながることが期待されており、国・県・市の3者の協同により、現在整備が進められております。

国道33号から国道56号間のインター線の4.8kmは平成28年に全線開通しており、国道56号から松山空港までの空港線の3.8kmは側道部の2.4kmが平成29年に開通し、本線部の開通が待ち遠しいところであります。

松山臨海部へのアクセス向上という視点で見れば、松山臨海部には四国第2位のコンテナ貨物量を誇る松山港や、乗降客数四国第1位の松山空港が存在します。

これまでの開通により、松山臨海部から松山I C間のアクセスは大幅に向上され、事業のさらなる進展により、国道11号や国道196号までの延伸も実現すれば愛媛県の人流・物流の効率化が図られ、更なる地域活性化、渋滞解消の効果が得られるものと考えます。

平成30年10月に公表されている、「平成29年9月18日に開通した「松山外環状道路空港線 側道部」の開通一年後の整備効果」によりますと、松山空港と松山I C間の所要時間が約11分(4割)短縮され、所要時間のバラツキが少なくなり、定時性が向上したとのことであります。また、市道松山環状線などを利用していた車両が松山外環状道路へ交通ルートを転換したことにより、市内南部エリアにおける渋滞損失時間が約2割減少するなどの効果が報告されております。市内南部に位置する小学校の児童、158名のうち、約5割の児童が道路を安全に渡れるようになったと実感し、また、道路を横断する待ち時間が減ったと実感したとの感想があったそうです。

また、松山外環状道路インター線の交通量は1日約19,000台で、空港線側道部の開通により、1日約6,400台が増加しており、代わりに、既存の渋滞が多数発生していた旧空港通りは1日約2,500台、市道松山環状線が約800台減少しております。

このように、社会資本の整備を進めることによって、人の流れ、物の流れがスムーズになることは地域経済にとっても大きなプラス要因になると考えます。平成30年に事業化された国道33号と国道11号を結ぶインター東線についても、早期着工が期待されており、沿線住民からも事業完成後の効果発現が大いに期待されているところであり、私にもこの道路の開通がいつ実現するのかとの声が多く届いております。

そこでお伺いいたします。

松山外環状道路における空港線及びインター東線の進捗状況と今後の取組みはどうかお尋ねいたします。

 

答弁(知事)

松山外環状道路は、松山ICと松山空港などの交通拠点間のアクセス向上や、市内中心部の慢性的な渋滞緩和など、松山都市圏の機能向上に必要な地域高規格道路として、国・県・松山市が整備を進めており、インター線と空港線側道部の開通により、松山ⅠCと松山空港間のアクセスが大幅に改善し、えひめ国体・えひめ大会でも選手や観客の円滑な輸送に寄与するなど、両大会成功の一助となったところ。

現在整備中の空港線については、これまでに余戸南IC~(仮称)東垣生IC間で用地買収が完了し、本線部の高架橋の下部工もほぼ完成しており、今年度は、国が上部工の工事等を進め、県が旧空港通りまでの側道部で工事を実施しているところ。また、インター東線については、30年度の事業化以降、国と市が測量・設計等を進めており、今年度はこれまでに地元説明会を終え、今後、用地取得に向けた調査に着手する予定と聞いている。

県としては、引き続き、国・県・市による緊密な連携のもと、空港線、インター東線の早期整備に全力で取り組むとともに、現在、未着手となっている空港~国道196号間についても、市内北西部の渋滞緩和や空港・港湾利用者の利便性向上等に、やがては不可欠になる道路であることから、早期事業化に向け、地元や物流・観光事業者などの道路利用者と共に、国に対し必要性と重要性を強く訴えて参りたい。

 

次に幼児教育・保育の質の確保についてお伺いいたします。

 

幼児教育・保育の無償化がスタートして間も無く一年を迎えようとしています。昨年11月に保育に特化した事業を運営する民間企業が、2020年4月から保育園や幼稚園などの施設に子どもを通園させる予定の、29歳から34歳の保護者を対象に、「幼児教育・保育の無償化をきっかけに利用しようと思った施設、サービス」について尋ねる調査を行ったところ、31.5%の人が「保育園や幼稚園などの施設の通常利用」と回答し、3割の保護者が幼保無償化をきっかけに新たに施設の利用を検討したことが明らかになりました。また、調査結果からは、幼保無償化が「幼稚園の預かり保育」「保育園の延長保育」「幼稚園の後に保育園の延長保育」を利用するきっかけとなった傾向もうかがえました。

この調査によりますと、すでに通園させている人と2020年4月から通園させる予定の人の希望施設を比較すると「認可保育園」が前年比6.6ポイント減少したのに対し、「幼稚園」は前年比8.1ポイント増加していました。その理由は「無償化がはじまり、安く通えるから」といった回答もあり、幼保無償化が新たな潜在ニーズの掘り起こしにつながったと言えるのではないでしょうか。

一方で、こうしたニーズの多様化により受け入れる施設側への負担が大きくなっていくことも想定されます。

施設ではこうした多様化するニーズに対応するため、新たな人材の確保や人材の定着が必要になるなど、幼児教育・保育の質の確保も重要になってきます。質を確保する上で必要となることは、研修などによる人材の育成ですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一か所に集まっての対面研修を行うことが難しくなっています。その代わりに、「オンライン研修」が全国的に増えてきているものの、各園での通信環境にはばらつきがあり、環境の不備を理由に研修への参加を断念するようなことがあれば、子どもたちの教育、保育のための質の確保に格差ができる可能性もあります。このため、各施設での通信環境整備は喫緊の課題となっており、県の支援なども含め対策が必要となってきていると考えます。

また、愛媛県では、「保育士等キャリアアップ研修」を愛媛県保育協議会に委託し、保育士の研修の充実を図られていますが、一方で私立の幼稚園教諭に対しては、一般財団法人愛媛県私立幼稚園協会が行う研修がキャリアアップのために実施されているものの、開催に係る経費は全て団体及び参加者が負担しており、研修の回数も十分だとは言えない状況であります。また、県総合教育センターが行う研修についても、大人数での参加は見込めず、私立幼稚園の幼稚園教諭の研修の機会が限定的となっているなど、幼児教育・保育の質を確保するためには、より一層の研修体制の充実や支援も必要となってきております。

そこでお伺いいたします。

幼児教育・保育の無償化により多様なニーズへの対応が求められている中、オンライン研修への対応などの環境整備や、幅広な研修機会確保への支援が必要だと考えますが、幼児教育・保育の質の確保のため、幼稚園や保育園等での人材育成の支援にどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

 

答弁(保健福祉部長)

本県では、幼児教育・保育の無償化に伴う子育て世帯の経済的負担の軽減や、女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加等により、幼稚園の預かり保育などの利用者が増えており、幼児教育・保育の質を確保し、人材育成を図っていくことが重要と認識している。

県ではこれまでも、リーダー的役割を担う保育士等を養成するキャリアアップ研修の実施や私立幼稚園教諭等を県総合教育センターが実施している公立関係者対象の研修に可能な範囲で受け入れるなど、資質の向上を図るとともに、保育士が本来業務に集中できるよう、保育支援者等を活用し業務負担の軽減を図っているところ。

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、研修の多くがオンライン方式に移行する中、受講機会を逃すことのないよう、今年度、必要な園に対して端末機器等の整備に補助を行うなど、人材育成の支援に取り組んでいるところであり、今後とも、子育て世帯が安心して子どもを預けられる環境の実現に向け、幼児教育・保育の質の確保に努めて参りたい。

2020.9月議会一般質問原稿・答弁概要
一般質問を行いました
【9月25日(金)】
本日、愛媛県議会本会議において一般質問を行わせて頂きました。何度やっても緊張しますが、次代を生きる子どもたちへ、活力ある愛媛を引き継いでいくために、私なりに必要と思う事柄について質問させて頂きました。今後とも人の輪に入り、地域に根差し、多くの触れ合いの中で課題を見つけ、「未来へつなぐ」活動をしていきたいと思います。
今回の質問項目は
1 GIGAスクール構想について
(1)教科書を始めとした教材についてICT活用をどのように進めていくのか。
(2)教員のICT活用スキルの向上に向け、どのように取り組むのか。
2 農業の振興について
(1)人・農地プランの実質化により、どのような効果を期待するのか。また、プランの実質化を通じて本県農業のあるべき姿をどのように描いていくのか。
(2)コロナ禍における農業の支援をどのように進め、今後の農業振興へどうつなげていくのか。
3 育児と仕事の両立を図る女性医師を始め、多様な価値観に基づく人生設計に配慮した地域枠医師制度にするため、どのように取り組んでいくのか。
4 松山外環状道路について、空港線及びインター東線の進捗状況と今後の取組みはどうか。
5 幼児教育・保育の質の確保のため、幼稚園や保育園等での人材育成の支援にどう取り組んでいくのか。
です。
ライブ中継をご覧いただいた方には、最初の数分間不具合があったと事務局から報告がありました。ご迷惑をおかけいたしました皆様にはお詫び申し上げます。
愛媛県議会本会議場にて
一般質問を行いました
2020/08/05
コロナ禍での雇用について議論
【8月5日(水)】
昨日は地方創生・産業振興対策特別委員会が開催されました。新型コロナウイルスによる雇用への影響や、その対策、などを質しました。関係機関との連携で、新型コロナによって解雇された場合のサポートなど十分に配慮してもらうよう申し上げました。
また本日はがん対策推進議員連盟の事務局長として岡田会長とWEB会議に参加しました。
部屋の冷房が効かず汗だくになっての自宅からの参加でした。
コロナ禍での雇用について議論
2020/05/14
子どもも頑張ってる

県議会で新型コロナウイルス対策本部会議が開かれました。

それぞれの県議から地元の要望など色々な意見が出ました。あらゆる業界、立場の人が現在苦労されながら踏ん張っている今を乗り越え、力を合わせて日常を取り戻しましょう。

私からは当日陽性者が判明したことも踏まえ、分散登校とは言え、やっと始まった学校の今後について発言いたしました。

保護者の皆さんからも色々なお声をいただきますが、1日でも早く子どもたちが安心して登校できる日が来るよう頑張りましょう。

子どもも頑張ってる
2020/01/28
保健福祉委員会

【1月28日(火)】
昨日の県議会、環境保健福祉委員会では伊方原発トラブルについて各委員から意見が出ました。
所管する委員会としては今後も厳しい目で見ていかなければなりません。

ちなみに昨年禁煙を始めて1年が経ちました👍
禁煙の代償で体についた肉を今年はなんとかしなければ😱

保健福祉委員会
2019/10/05
リレーフォーライフ参加

【10月5日(土)】
リレー・フォー・ライフ・ジャパンえひめ2019に「県議会がん対策推進議員連盟チーム」で参加しています。
開会式では事務局長として挨拶をさせて頂きました。
患者さん、ご家族、そして皆んなが力を一つにしてがんに負けないように想いを一つにできる時間になればと思います。
議会で取り組める事に色々と取り組んでいきたいと思います。

リレーフォーライフ参加
2019/09/26
一般質問を行ないました

【9月26日(木)】
県議会議員三期目の初めての一般質問を行いました。県政課題として重要と思われるものについて考え、質問させていただきました。
・陸上自衛隊松山駐屯地の拡張と周辺整備にどう取り組んでいくのか。
・水田農業の振興にどう取り組むのか。
・児童相談所の機能拡充にどう取り組むのか。
・幼児教育、保育の無償化に伴い、質の確保をどうするのか
・RPAの実証事業はどうか、全庁的取り組みに向けてはどうか
・教員の確保対策はどうか
について問いました。

一般質問を行ないました
2019/05/14
新たな気持ちで❗️

【5月14日(火)】
本日、新たな任期に入って新たな議員章を頂きました。
多くの皆さんの期待に応えられるよう新たな気持ちで進んでいきたいと思います。
皆さんのお陰で頂いた3期目も精一杯努めて参ります❗️

新たな気持ちで❗️
2018/12/10
H30年12月愛媛県議会一般質問(全文)

自由民主党の松尾和久です。
11月18日に行われました愛媛県知事選挙におきまして、県民の多くの支持を得られ3選を果たされた中村知事にお祝い申し上げますとともに、引き続き愛媛のトップリーダーとしての御活躍に御期待申し上げます。
まず初めに、我が県に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨における避難者への対応についてお伺いいたします。
このたびの7月豪雨では、県内各地で多発した土砂崩れや河川氾濫などにより多くの住家被害が発生し、避難所への避難者数は、最大で約4,300人に上りました。
本被災時では、自衛隊や災害医療についての専門的な研修や訓練を受けた全国各地の医師、看護師らがDMAT災害派遣医療チーム、JMAT日本医師会災害医療チームとして医療支援に入って行っていただいた災害医療支援と同時に、被災者にとって求められる健康支援については、市町や保健所の保健師、栄養士さん等により行われたものと伺っています。
また、被災した各県におけるアレルギー対応食、介護食の提供、栄養相談など配慮が必要な被災者への栄養的支援については、厚生労働省から公益社団法人日本栄養士会に対し、各被災県への栄養、食生活支援の協力依頼があり、本県においては、公益社団法人日本栄養士会と公益社団法人愛媛県栄養士会が支援体制を整え支援をしていただいたと聞いております。
避難所生活を余儀なくされた被災者の方々にとって、衣食住の支援は必須であり、その中でも食は生きる糧であり、生活を支えていくための糧でもあることは言うまでもありません。
このたびの7月豪雨における被災地では、自衛隊やボランティアによる炊き出しの提供もありましたが、一部では菓子パンやおにぎり、バナナといった提供が続き、比較的早くにお弁当の配給が進んだ地域においても、高齢者の方々がそしゃくや飲み込みのしにくいレンコンの煮物や冷えた空揚げといった食事が続くなどの状況にあったそうです。また、発災直後は食事の提供内容まで整いにくい中ではありますが、その状況に対して迅速に栄養的、健康的問題を意識した対応が必要な方も多くおられたとお聞きしています。
避難者にとって、栄養補給は、身体機能の維持を行う手段であり、意欲を支える鍵であるといった観点からも重要かと思われます。被災時においては、避難者の健康、栄養状態やニーズ等を把握するとともに、不足している栄養素を即判断し、早期より継続的に補給する支援体制が必要であると考えます。
被災者の食事や生活支援は、仮設住宅の建設といったハード面の対策とは異なり、状況に応じた対応が継続的に必要です。避難した個々の方々は、自身の食事内容を意識する余力がなく、被災により今後を心配することが意識の大半を占める時期に、日々の食事の内容や食べられない現状から栄養素は不足しがちになります。栄養素の欠乏により身体が弱まってしまい、精神的な不安が引き起こされるおそれがあり、栄養面に配慮した対応が必要であります。被災地に赴いた多くのボランティアの方々より伺う中では、今回の災害時の対応としては少し手薄になっていた部分ではないかと感じております。
そこで、以下の点についてお伺いいたします。
発災直後から復興期まで、被災者の栄養を考慮した切れ目のない支援体制について改めて考える必要性があるように思われますが、今回の災害に際し、県として、被災者の栄養的見地からの健康支援にどのように取り組んでこられたのか。また、今後予想される南海トラフ地震等による大規模災害に備えて、支援体制をどう整備されていくのか、お聞かせください。
次に、農福連携についてお伺いいたします。
3年前の12月議会において、農福連携について質問いたしましたが、今任期最後の質問でもあり、改めてお聞きしたいと思います。
農福連携は、障がい者等が農業分野での活動にかかわることで、自信や生きがいを感じ、自立や社会参加を促す取り組みであり、農業、農村における課題、福祉における課題、双方の課題解決を図ると同時に、農業者、障がい者双方にメリットを生み出そうという取り組みであります。
県内でも、多くの福祉事業所が農福連携に取り組んでおり、県が平成30年2月に実施したアンケートで回答のあった福祉事業所236カ所のうち54カ所で農業に取り組んでいるとお聞きしています。
前回も御紹介いたしましたが、私の地元の事業所でも、農業班の皆さんが農業に携わっております。農業作業中のお顔を拝見すると明るい表情で、農業の持つよさを感じているように思います。先日、施設のイベントにお邪魔した際には、そこでできたキャベツやタマネギ、お芋などの販売と、それらを材料にしてお好み焼きやカレーライスなども販売されており、家族でいただきましたが、いいできばえでありました。施設の方に農業に携わる利点をお聞きいたしますと、外での農作業をすることによって、精神的にも落ちつきができてきているとのことでした。
こうした農福連携の取り組みは、他県でも始まっております。お隣の香川県では、NPO法人香川県社会就労センター協議会を設置し、農業者と障がい者就労施設のマッチングを行っております。この取り組みは、あらかじめ農作業の請負可能な施設を登録し、農業者からの依頼があれば施設へ作業発注を行っています。その際に、所属のコーディネーターが、作業内容や農場の状況を確認して料金設定を行うという仕組みです。このコーディネーターが入ることよって、両者の間で難しい料金設定が行われ、農業者も施設側も安心して受発注ができるとのことです。
また、2017年3月には、農福連携の取り組みを全国レベルで推進する民間主体の全国農福連携推進協議会が発足し、国においても、厚生労働省と農林水産省は、農作物の展示、販売を行うノウフクマルシェや取り組み事例の情報共有を図る農福連携推進フォーラムを開催するなど共同で施策を推進しております。
さらに、東京オリンピック・パラリンピックでは、障がい者の働く力をアピールするために、大々的なマルシェの開催や、障がい者が育てた農作物を使ったレストラン、カフェテリアの展開を予定しているところであります。
そうした機運を盛り上げようとの取り組みが進み始めた今こそ、県内においても、成功事例などを参考に農福連携を普及していくことが、障がいのある皆さんにとっての生きがいや就業機会の拡大、工賃の向上、そして、自立へとつながっていくのではないかと考えます。
そこで、お伺いいたします。
県内の福祉事業所における農福連携を推進するため、県としてどのように取り組んでおられるのか、お聞かせください。
次に、障がい者雇用の促進についてお伺いいたします。
県では、先般、職員の障がい者雇用率の算定誤りがあり、今後、採用試験を行うこととなっておりますが、代表質問でも議論のあったところであり、私からは、民間事業所での雇用拡大についてお聞きいたしたいと思います。
ことし4月に、民間企業における障がい者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられました。今後、さらに0.1%引き上げられる予定となっています。
県内では、障がい者雇用の状況は改善してきておりますが、障がい者雇用をさらに進めていくに当たっては、企業が前向きに雇用をしていきたいと考える環境の整備が大切であります。
岡山県総社市の事例では、総人口約6万8,000人の中で、平成23年に身体、知的、精神障がい者のうち、一般的な就労年齢と言われる18歳以上65歳未満の人口が約1,200人であったことを踏まえ、1,000人の雇用を目標として掲げました。同市では、目標達成のため、平成23年に障がい者関係団体を初め、特別支援学校やハローワーク、市内の企業、岡山県立大学などの代表者ら16名から成る障がい者千人雇用委員会を立ち上げるとともに、基本理念、市や事業主などの責務、市の施策などを明らかにした障がい者千人雇用推進条例を制定し、官民での取り組みを推進してきたところであります。
一見無謀と思える目標ですが、取り組みを始めた当初180人だった就労者は、その後着実に増加し、昨年5月、ついに1,000人の目標を達成いたしました。昨年目標を達成したことを受け、新たに障がい者千五百人雇用委員会を設置し、取り組みを進めているとのことです。
当初、言葉は適切ではないかもしれませんが、足手まといを雇うくらいなら罰金を払った方がいいという企業も多くあったそうです。しかし、障がい者を1人雇うことによって、職場の結束力が上がったり、社員が優しくなったり、社内の雰囲気がよくなるといった効果が出て、だんだんと採用する会社がふえてきたということでした。
障がい者雇用を敬遠している企業には、障がい者に対する誤ったイメージを持っていることがあります。そして、実際に採用した企業では、先ほど述べたように、その誤ったイメージに気づき、採用を進める事例があることも事実であります。
障がい者雇用を進めるためには、企業の意識が変わることが重要でもありますが、理解を深めるための啓発活動も含めて、行政が積極的に就労支援の取り組みを推進していくことが必要であります。国においても、さまざまな支援制度を設けて取り組んでいただいておりますが、県としても、今後、力強く進めていただけるものと期待しております。
障がい者が、地域の一員としてともに暮らし、ともに働くことのできる共生社会の理念が社会に浸透しつつある今、障がい者雇用に関心がある企業もふえてきているのではないかと思いますが、雇用に関心はあっても、実際に雇用することをためらう企業への後押しが重要であると考えます。松山市内の企業においても、法定雇用率を達成するため採用意欲はあっても、自社の仕事に適応する人を探すことが困難で採用に至っていない事例も聞いております。このような中、県民や企業への啓発はもとより、障がい者の雇用を積極的に行う企業の取り組み事例の横展開や企業と障がい者の方とのマッチングなども必要な取り組みであると思います。
以上のようなことを踏まえ、お伺いいたします。
今後、民間事業所での障がい者雇用の拡大にどのように取り組んでいかれるお考えか、御所見をお聞かせください。
次に、クルーズ船の受け入れについてお伺いいたします。
近年、訪日外国人観光客数が大きく伸びていることは御案内のとおりです。訪日外国人全体の旅行消費額は、日本政府観光局の資料によれば、2011年に8,135億円であったのが、2017年には4兆4,162億円へと伸びています。人口減少時代にある中、1人の人口減により消失する消費を8人のインバウンドを呼ぶことでカバーできると言われています。今後の課題として、これらのインバウンドの流れを地方にも呼び込み、地方の活性化へと結びつけることが大切であると考えます。
外国人観光客の増加と比例して伸びているのが、クルーズ船の寄港回数です。国土交通省の資料によれば、2013年に1,001回であったクルーズ船の寄港回数は右肩上がりにふえており、2017年には2,764回と過去最高となっています。
クルーズ船で訪日する外国人客は年間200万人以上で、政府は2020年に500万人を目標にしています。クルーズ船の寄港により大きな経済効果が期待されることから、全国各地でクルーズ船の誘致が活発になっているところであります。
愛媛県においても、宇和島港や松山港で実績を上げてきているところでありますが、松山港は、背後に多数の観光資源を有しているにもかかわらず、瀬戸内海沿岸の他港や太平洋側の港湾と比較して、寄港回数が少ない状況にあると言われています。
先日、宮崎県日向市の細島港へクルーズ船の受け入れについて視察に行きました。細島港は、港の隣接地に旭化成や日向製錬所などを抱えた工業港として発展してきた港であります。近年、貨物岸壁を活用した大型クルーズ船の受け入れを進め、人口約6万人の市ではありますが、実績を上げてきています。
私が訪問した際は、約5万7,000t、乗客定員約1,600人のコスタネオロマンチカが寄港する日でした。当日は、14時に寄港し、20時に出港のスケジュールでありました。寄港の際の受け入れ体制を拝見しましたが、まだ対応がスムーズに運ばれるノウハウが確立しているとは言えない状況でした。
乗船客は、1,200人が日本人で、約300人が外国人とのことでした。寄港後、乗船客が1時間ほどかけて途切れなく下船してきましたが、市の中心部と港をピストン輸送するバスの運行のほか、タクシーに並ぶ人や市内の観光地を周遊するバスに乗る人などへの対応が必要であったものの、タクシーは数十分並んでも来ず、バスも最初に出発した後は1時間待ちと言われ、市内まで徒歩で移動する人などがおられました。
何度もクルーズ船に乗船経験のある乗客の方からは、受け入れがなれていないのね、二度目は来ないや、準備ができていないなら受け入れるべきではないなど厳しい意見もお聞きいたしました。私自身も、せっかくの大型客船の受け入れであることから、もっと積極的に職員、ボランティアを配置するなどの対応が必要であったように見受けられました。
来年5月21日に、今回視察した客船のほぼ倍のスケールのダイヤモンド・プリンセスが松山港に初寄港いたします。現在、松山港では、県と国土交通省が連携し、大型クルーズ船の受け入れに向けて、係船柱や防舷材の整備のほか、道路の舗装などの環境整備を進めています。ダイヤモンド・プリンセスの受け入れに際しては、これらハード面での準備と同時に、寄港時の歓迎やシャトルバス、タクシーなど交通手段の確保など受け入れ体制を万全にし、乗船客に好印象を持ってもらうことで、今後の大型クルーズ船の受け入れなどにつなげていく必要があると考えます。
そこで、お伺いいたします。
いよいよ約半年後に迫ったダイヤモンド・プリンセスの寄港に向けたソフト面での準備状況はどうか。また、今回の寄港を契機に、さらなる受け入れによる地域活性化にどのように取り組まれるのか、お示しください。
次に、国際交流員の活用についてお尋ねいたします。
ALT外国語指導助手やCIR、いわゆる国際交流員はよく知られているところですが、このほかSEAと呼ばれるスポーツ国際交流員が、一般財団法人自治体国際化協会が実施するJETプログラムを通じて招致されております。
JETプログラムは、主に海外の青年を招致し、地方自治体、教育委員会及び全国の小中学校や高等学校で、国際交流の業務と外国語教育に携わることにより、地域レベルでの草の根の国際化を推進することを目的としています。
現在、45都道府県と19政令指定都市を含む約1,000の地方公共団体等が参加者を受け入れております。今年度は5,528人が配置されており、その内訳は、外国語指導助手5,044人、国際交流員472人、スポーツ国際交流員12人です。
国際交流員は、地方公共団体の国際交流のサポートを主とし、業務内容は、国際経済交流事業の企画、実施、外国人向けの広報、海外向け情報発信、国際イベントの企画や地域の国際化の推進と多岐にわたります。
近年では、観光インバウンド戦略など経済交流のサポーターとして、自治体の観光情報の多言語化、ホームページやSNSを活用した情報発信、外国人目線による観光パンフレット、ポスターの作成サポートなど幅広い業務で活躍しています。また、多文化共生推進のために、日常会話からビジネス会話までこなす日本語能力を活用した翻訳、通訳に対応し、地域の外国人住民の環境整備にも力を発揮しているほか、地域住民や職員を対象とした語学講座や料理教室等を通じて異文化理解の推進も図っております。
全国での活用事例として、宮城県では、国際交流員監修のPR動画投稿や記事配信でSNSフォロワー数が30倍になったほか、香川県では、4人の国際交流員が、知事の文書や挨拶文などに限らず、道路標示や各地のパンフレットの翻訳作業、小中高校生や特別支援学校の生徒との異文化理解講座も開催しております。
先日、えひめ丸事故をきっかけに戒能県議がスタートした愛媛・ハワイ交流少年野球大会が、ことしは愛媛県で開催されました。本大会は、痛ましい事故を忘れず、次代の子供たちにも知ってもらうため、宇和島水産高校で慰霊碑への献花も行われるなど大変意義深い取り組みであり、ことしで17回目を迎えました。受け入れの歓迎祝賀会では、当選後間もない忙しい中、中村知事も駆けつけてくださり、大いに盛り上がりました。
私も、3名の子供たちをホームステイで受け入れをいたしましたが、子供同士で一生懸命コミュニケーションをとろうとする姿を見て、若いうちに異文化に触れることは、お互いの若い世代にとっても大変貴重な経験になると感じたところであります。
この野球大会へスタッフとして来られていたハワイ出身の若者は、現在28歳で、小学生のときに第1回大会に参加し、以来、日本で働きたいとの思いを持って勉学を重ね、このたび来日いたしました。現在、島根県商工労働部観光振興課で国際交流員として勤務しています。島根県では、外国人向けの動画を作成するため、撮影から編集までを任され、外国人目線での作成に取り組んでいるとのことでありました。このほか、外国から島根県への来訪者の対応やパンフレットの作成などに従事しているそうであります。
また、1994年から招致が始まったスポーツ国際交流員は、現在、全国でも12人と少数ですが、今後の活躍が期待されるところであります。スポーツ国際交流員の主な職務として、スポーツ指導の助言、補助、有力な選手を初め、地域住民や任用団体職員へのスポーツ指導の協力、そして、国体やオリンピック・パラリンピックに向けたジュニア選手の育成などがあります。
スポーツ国際交流員は、母国のオリンピック委員会等の組織から推薦を受けて来日しており、専門的な見地から効果的な技術指導を行うことから、他県では、国体や高校総体で目覚ましい成果を上げるなど競技力の向上につながった事例もあります。このほかにも、部員や少年団員の数がふえるなど、スポーツの裾野拡大にも貢献しているとお聞きいたします。スポーツ国際交流員の活用は、今後、スポーツ立県えひめを推進していくためにも有効であると考えます。
そこで、お伺いいたします。
愛媛県庁では、今年度3人の国際交流員が配置されておりますが、具体的な活動内容と効果をお聞かせください。
また、本県におけるスポーツ振興を図る上で、スポーツ国際交流員を活用することについて、どのように考えているのか、お示しください。
次に、交通事故抑止に向けた交通安全施設の整備についてお伺いいたします。
県内における本年10月末現在の交通事故統計を見ますと、発生件数2,896件、死者数42人、負傷者数3,389人といずれも前年を下回っており、これもひとえに県警を初めとする関係各位の御努力のたまものであると敬意を表する次第であります。
しかしながら、愛媛県警察運営目標に掲げる交通死亡事故抑止アンダー50につきましては、11月に入って発生した死亡事故により、6年連続で達成するには至らず残念な結果となっております。
本県の交通事故は、全国と比べて死亡事故に至る致死率が高い事故が多く、昨年発生した死亡事故の状況を見ると、死者数78人のうち、人対車両の事故による死者数が26人と最も多く、そのうち横断中に車にはねられて亡くなった方が21人と約8割を占めています。私の地元でも、昨年1年間で2名の歩行者が道路横断中に事故に遭い、とうとい命を落としました。また、どこで起きたかという道路形状別の発生状況を見ますと、ことし上半期に発生した交通事故のうち、約半数が交差点事故であり、約3割が信号のない交差点で発生しています。
自動車を運転する人が横断歩道を横断中の歩行者に配慮するなど、安全運転の確保を図るため、交通ルールや交通マナーを守る意識の向上に絶え間なく取り組んでいくことが大切であると思います。
県では、交通死亡事故抑止に向けた交通安全対策を推進するため、市町や関係機関、団体、事業所等と連携して、交通安全県民総ぐるみ運動を展開されており、県警でも、高齢者に焦点を当てたシニア・セーフティ・プロジェクトなどに取り組まれておりますが、交通事故発生件数の減少推移を見ると、これらの取り組みの効果があらわれていることを実感いたします。
交通事故を抑止していくためには、交通安全教育をさらに推進していくほか、交通規制や交通指導取り締まり、道路管理者と連携した交通安全施設の整備等により、交通環境を整えることが重要であると承知しております。その中でも、信号機や横断歩道を初めとする交通安全施設の整備は、歩行者の安全と交通事故の抑止に大きな役割を担っているものと考えます。
第10次愛媛県交通安全計画でも、道路交通環境を改善し、交通事故の防止を図るとうたわれています。地域からも、交通安全施設整備の要望が多く寄せられているところであります。そういった中で、県警が果たす役割は重要なものであると考えております。
そこで、警察本部長にお伺いいたします。
県警では、信号機や横断歩道の新設など交通安全施設の整備をどのように進めているのか。また、道路管理者の連携をどのように行っているのか、お聞かせください。
以上で私の一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。

H30年12月愛媛県議会一般質問(質問項目)

 

30.12

①今回の災害に際し、被災者の栄養的見地からの健康支援にどう取り組んできたのか。また、大規模災害に備えて支援体制をどう整備していくのか。
②県内の福祉事業所における農福連携を推進するため、県としてどのように取り組んでいるのか。
③民間事業所での障がい者雇用の拡大にどのように取り組んでいくのか。
④ダイヤモンド・プリンセスの寄港に向けたソフト面での準備状況はどうか。また、今回の寄港を契機に更なる受入れによる地域活性化にどう取り組むのか。
⑤国際交流員の活用について

(1)  県庁に配置されている国際交流員の活動内容と効果はどうか。

(2)  本県におけるスポーツ振興を図る上で、スポーツ国際交流員を活用することについてどのように考えているのか。

⑥県警では信号機や横断歩道の新設など交通安全施設の整備をどう進めているのか。また、道路管理者との連携をどのように行っているのか。